SEとは文字通りシステムエンジニアの略称でありますが、これほど間違ったイメージで捉えられている職業はありません。そのひとつにはプログラマと区別が曖昧だからです。SEの主な仕事はシステム設計であり、プログラマの主な仕事は実際にプログラミングすることです。両者は独立した全く別の職業です。プログラマとして経験を積めばSEになれるというものではありません。それなりの教育を受けなければSEにはなれません。
たとえば、建築士と大工の関係を例にあげると解りやすいと思います。現場では鉄骨、コンクリート、内装、電気工事など各種職人さんが働いています。これらの職人さんの仕事と建築設計技師の仕事は違います。職人さんは建築技師が設計した、設計図面を基に仕事を進めます。自分の担当の仕事を受け持っているだけです。建物全体には関与しないのです。これと同じようなことがソフトウェア開発の現場でも頻繁に起きています。そういう意味において、SEとプログラマは全く別物の職業と言えるのです。
ではSEとはどういう職業なのかと詳しく言いますと、プログラマーに対応するものとして、経済産業省は基本情報技術、ソフトウェア開発技術者としています。そして、SEの位置づけは曖昧でありますが、システムアナリスト、プロジェクトマネージャー、アプリケーションエンジニアとしています。主に運用面を担当するネットワーク、データベース、システム管理、エンデベッドシステムの各技術者にはテクニカルエンジニアという総称が与えられていますが、これはいわゆるスペシャリスト達です。しかし、システムアナリスト、プロジェクトマネージャー、アプリケーションエンジニアには総称はありません。この三つの総称こそシステムエンジニアつまりSEと位置づけられるのではないでしょうか。
SEにおける資質はどのようなものなのでしょう。5つ挙げますと
1)幅広い視野
2)柔軟な思考力
3)旺盛な好奇心
4)バランス感覚
5)チャレンジ精神
6)プロ意識
です。
そして、このSEの資質がありますと経営者にもなれるのです。SEになるための習得手法はコミュニケーション技法、プレゼンテーション技法、カウンセリング技法、問題発見・解決手法、システム調査技法、システム分析・設計技法が挙げられます。そしてSEはそれらを駆使していくことが必要なのです。それは、プログラマーを含め人間と機械を融合していくことなのです。