PHPはWeb開発やアプリ開発において、IT業界で大きなシェアを占めているプログラミング言語です。他の言語よりも比較的学習しやすいため、ITエンジニアを目指す方の入り口として広く認識されています。この傾向は今後も続くと言われており、普及度と需要度の高さから見てもPHPの将来性が極端に狭まることはなさそうです。
PHPの需要理由として第一に、PHPがWordPressで採用されていることが挙げられます。WordPressとは、ブログや企業のコーポレートサイト製作、CMSサービス(コンテンツ管理システム)に利用できるオープンソースのソフトウェアのことです。WordPressは世界で最も多く利用されており、日本のCMS市場でも約8割のシェアを獲得しています。つまり、WordPressの立ち上げ・改修・機能追加などの案件に対応するには、必然的にPHPの知識が必要なのです。 また、Webサイトのサーバーサイドシェアの7割以上がPHPともいわれています。このことから、WordPressでなくとも、多くの既存サービスがPHPを使っていることが分かるでしょう。これらを総合して考察すると、既存のサービスを維持し続けるためにはPHPが必要なので、今後もPHPエンジニアの需要が激減する可能性は低いといえます。
将来性も需要度も高いPHPですが、全く懸念点が無いわけではありません。現在はPHPで開発されたシステムが多いため、需要が極端に減る可能性は低いといえます。しかし、近年はAIが流行していることもあり、人工知能分野の開発に強い他言語がシェアを拡大しつつあるようです。また、PHPは他の言語に比べてセキュリティが弱い、PC上で動くアプリやスマホアプリなどの開発にはあまり向いていないといった懸念点もあります。 近年見られるAIの台頭のように、今後の市場状況によってはPHPのシェア率を超えるものが出てくるかもしれません。しかし、そうは言うものの、PHPエンジニアの求人が全くなくなることはないでしょう。ただ、わずかではありますが、今後の参考までに懸念点を把握しておくことも大切です。
PHPは市場が大きいので、ある程度のスキルや経験を持つエンジニアであれば、持続して仕事があるでしょう。しかし、将来的にPHPエンジニアとして収入を増やしたいのならば、キャリアパスを視野に入れてプラスアルファの何かを習得する方が賢明です。たとえば、マネジメントスキルを磨いてCTOやプロダクトマネージャーを目指す、言語に加えさまざまな先端技術を習得してギークとして活躍する、といったキャリアパスも考えられます。 もしくは、フリーランスとして独立するという選択も可能です。フリーランスへ委託されるクラウドソーシングサービスの案件には、PHPを使うものが非常に多くあります。それらをコンスタントに受注できれば、フリーとしても十分に活躍できるでしょう。